Surface Goを仕事のメイン機にする

前回: タブレット PC ことはじめ

Surface Go を 3 日ほど仕事で使ってみた感想。

お仕事内容

前提。

  • コーディング 7 割
  • Excel、Word 操作 2 割
  • Blog やメッセンジャーなどのもの書き 1 割

といったところ。

単体で開発機として使えるのか

基本スペックは下記の通り。

  • Microsoft Surface Go (Model 1825)
  • CPU: Interl Peintium Gold Processor 4415Y
  • RAM: 8GB
  • SSD: 128GB

結論から言うと、単体では非力すぎてダメでした。
RAM、SSD は十分ですが、やっぱり CPU が非力なのが響きますね。
ただ、LTE でいつでもネットに繋がるという特性を生かして、RDP 前提なら話は別です。

いいところ

軽い

MacBookPro2016(以下 MBP)を今までメイン機にしていましたが、

  • MBP: 1370g
  • Surface Go: 565g(本体のみ、キーボードやペンなどのアクセサリなし)
    と、圧倒的軽さを誇ります。
    キーボードは hhkb にするという修行を自らに課しているため、MBP と hhkb で 2kg にもなっていたのがだいぶ軽くなりました。

LTE でいつでもつながる

通常の業務として、外出先の打ち合わせなどで PC をネットワークに繋ぐ必要があります。
今まで iPad や iPhone などでテザリングしていましたが、この「テザリングする」っていう一手間が減りました。
これが思いのほか快適です。
本体のみで移動できて、バッテリーも本体のみ気にすれば良いので気が楽です。

Office がちゃんと動く

もともと Office は Windows 前提なので当たり前といえば当たり前。
でも Mac で Office365 を使っていたときのイライラ(*1,*2, *3)がなくなったので良いです。

(*1) Mac 版は図形の配置や印刷時の余白が Windows 版とズレる。顧客と揉めることもしばしば。
(*2) Mac 版は Windows 版とくらべて、起動が極端に遅い。わざと Wait 入れてるんじゃないのか?
(*3) Mac 版はとにかくよく落ちる。そしてドキュメント破壊で Excel のスタイルがなくなるとかよくある。

高解像度

10 インチサイズながら、解像度は 1800x1200 となかなかのもの。
縦横比が 3:2 なので、変に横に伸ばされている感もなくて良いです。
デフォルト設定は拡大表示になっているので、100%表示(ドットバイドット)に変更して使います。
でも、やっぱりちっちゃいのでオフィスで使うなら外部モニタにつなぎたい。

Surface アダプタだけじゃない、USB-C で充電できる

Surface アダプタがあるので、USB-C はてっきり周辺機器との I/O のみかと思ってたけど、ちゃんと充電できます。
MBP で使っていたアダプタ(Apple 純正を含む)や USB ハブがそのまま使えるので助かります。
っていうか Surface のアダプタが接触悪くてイライラする。初期不良?

本体にスタンドが付いている

追加アクセサリ無しで自立できる。これいいね。
角度も~ 150 度まで無段階。
でも膝の上で作業するのはちょっと安定感が悪いです。これはラップトップ型に軍配が上がります。

唯一の USB-C コネクタが右にしかついていないけど、逆さにして左にコネクタを出した状態でも使えます。
逆さでもちゃんとWindows Helloが顔認証もしてくれます。
しまうときにスタンド逆関節しちゃいそうで怖いけど。

ペンがあればメモ帳要らず?

Surface ペンがあれば、ちょっとした図の共有とか便利です。
終わったらそのまま保存して slack で共有。

悪いところ

非力

わかっていたけど非力。超非力。
CPU は Pentium Gold 1.60GHz。
ディアルコアで 1.6GHz なんて、最近のスマホより非力です。

おこづかい帳レベルの Excel なら楽勝。
WSL+Node.js でプロジェクトビルドとかメイン機の 5 倍くらい時間がかかる。
ハードウェアスペックはあとから変更できないのでどうにもならない。

開発で使いたいからって VM とか Docker とか考えないほうがいい。
Slack はアプリ上げるだけでもかなりの時間がかかります(*4)。

(*4) バッテリー駆動時、4 チームを設定した状態で初期表示チャネルに入力可能になるまで約 40 秒

I/O ポートが少ない

汎用 I/O は USB-C が 1 ポート、MicroSDXC が 1 スロット。
SurfaceDock とかいうのがあるけど、専用品でつぶしが利かないのでなるべく買いたくない気持ち。
MBP で使っていた USB-C-HDMI アダプタがそのまま使えるので、1 ポートしかない USB-C を使う機会が多そう。
接続したいならなるべく BlueTooth な製品を選びたいところ。

専用品の値段が高い

これは Apple 製品でも言えることですが。
Surface ドック: 公式サイトで ¥27,432 円。しかも HDMI 出力がないってどういうこと(DisplayPort は 2 コある)。
Surface ペン: ¥12,744。
タイプカバー: JIS キー配列だとブラックのみ、¥12,744。本体の色に合わせようとすると選択肢は US キーのみで ¥16,632。

ドックは必要ないけど、ペンとタイプカバーは買いました。。。

タブレットとしては微妙

普段iPad mini 4を使っているので大きく感じるだけかもしれませんが。
両手に余るサイズなので、横持ちでは電車の中など立ったままでの文字入力がしにくいです。
縦持ちならなんとか。
あとベゼルが広いのでなんかもったいない。

設定でなんとかなるところ

悪いところ、ですがいろいろトレードオフ設定でなんとかなるところ。

省電力設計でパフォーマンス落としすぎ

バッテリー駆動時のパフォーマンスを落としすぎ。
CPU の駆動 0.6GHz とか、半分以下になります。
ウォッチ系ビルドタスクをあげてるとストレス。

使ってみて気づいたこと

カタログでは気づきにくい、使ってみて気がついたこと。

タイプカバーはあったほうがいい?

いつも hhkb 持ち歩いているから、いらないやーと思ってたけど。
外出先でぱっと取り出してすぐタイプしたいときは、やっぱりあったほうがいい。
ちょっと打ち合わせ程度で hhkb 取り出したり会議室に移動したりするのはめんどう。
腰を落ち着けて作業するなら外部キーボードとマウスというように、使い分けられると良いですね。

2019/06/19 追記
あったほうがいいと思っていたのですが。。。
hhkb よりかなり狭いキーピッチでタッチタイプがしんどいです。
hhkb の無線化に成功したので、もうタイプカバーは持ち歩かなくなりました。
※ Alternative Controller 入れたのでオレオレキーマップに慣れすぎたってのもある

Surface ペンは BlueTooth 接続が必要

実は Surface ペンはペアリングしていなくても、書くだけならできます。
固有機能であるトップ部のボタンを有効にするにはペアリングが必要です。
なんとなく使えてたから気づくのに時間がかかった。

ちなみにペンはネタ的要素だと思っていましたが、息子とお絵描きしたり、ひとりブレスト&マインドマップ作成には便利。

搭載 OS は Windows 10 Home だが、Pro にはしなくてもいい

Pro には RDP のホストモードとか、Hyper-V 有効化とかありますが、ほとんどの人は不要。
WSL も RDP クライアントも Home のまま使えます。
ロースペックなので Hyper-V+Docker はあきらめたほうが良いかと。
実験のために、Pro にしちゃったけどね。。。

WindowsRDP でリモートお仕事

Surface Go の軽さを活かして、リモートでお仕事してみました。
本体は非力なのですが、リモートマシンのパワーで仕事に励みます。
通信は DMM モバイルの格安 SIM を使用しています。

通信量は RDP 経由で動画見まくったりするとヤバそうですが、コーディングメインにすると 1 日 450 ~ 700MB くらいの使用量です。
画面イメージの差分を送っているようなので、動きが少ないほど転送量は少なくてすみます。

午前中は快適に作業できました。
お昼になるととたんに回線が激重になります。おとなしく世間と同じ時間にランチにしましょう。
これは Surface が、とかじゃなく DMM モバイルの問題ですね。
午後もだいたい快適なのですが、17 時を過ぎたあたりからまた重くなります。
これは重い日と重くない日があります。重い日は 19 時過ぎてもずっと重いです。

また RDP の場合、SPoF(single point of failure)が増えます。
SPoF とは「単一障害点」のことで、ここ一つが故障するだけでシステム全体が使用できなくなるポイントのことを指します。

  • Surface Go
  • 自宅 PC
  • 自宅ネットワーク(ルータ故障とか)
  • DMM 通信網

のいずれかに障害があっても利用できなくなります。
特に、自宅 PC に何かあった場合、誰もいないと PC の再起動をお願いすることすらできません。

あと、ネコのいたずらで止まったりとか。。。
再接続時はいつもドキドキです。

このどきどきは、もはや恋です。

総合評価

Surface Go 単体では非力さと I/O ポートの少なさで、開発には不向きかもしれません。

ただ、RDP でハイスペックな PC とシンクライアント的に繋がっていれば状況は変わります。
DMM モバイルで自宅と RDP していますが、けっこうまともに使えます(ときどき何かに詰まってもっさりになることもありますが)。
高速回線のある職場の Wi-Fi が使えるならほとんどストレスを感じることはありません。

本体(LTE タイプ) + タイプカバー + ペンで 10 万円くらいかかっちゃいますが、NEC や Panasonic の軽量モバイルノートよりはだいぶ安上がりかと思います(その分スペックは低いが)。

RDP はクライアント側のスペックは低くてもいいので、RDP に振り切って使うならアリだと思います。
全社的に Windows 仮想デスクトップが採用されているなら選択肢として面白いと思います。

現状、hhkb の有線接続がダサいので、次はAlternative Controllerを導入して無線化したいと思います。
無線化しました

アデュー!!

おまけ

2020/1/14、Surface Pro Xが発売されました。
Surface Goからの乗り換え検討記事もよろしければどうぞ。
Surface Pro X が欲しい・・・が、見送る
Surface Pro X 買っちゃった

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