初めてのPC水冷化(1) - 水冷 PC ってなに?
水冷化の予備知識
水冷ではない PC
フツーに PC 買ってきたら、ハイエンドのゲーミング PC じゃない限りは「空冷」だと思います。
CPU やグラボにファンがついていて、風をあてて冷やすもの。
暑かったら扇風機で冷やす、原始的な方法です。
ファンの設置場所にあまり制限がないので、サイズさえ許せば簡単に増設できます。
温度が上がってきたらファンを強くして冷やす必要がありますが、このときに作動音がうるさくなる傾向にあります。
暑いときに扇風機を「強」にしたら、うるさくなりますよね。
水冷 PC とは
「クーラント」と呼ばれる液体を循環させて CPU や GPU を冷やす PC です。
冷却したいパーツに「ウォーターブロック」と呼ばれるものを取り付け、水の力で冷やします。
ウォーターブロックは內部で常に水を流すことで、パーツから受け取った熱を外に逃がします。
ウォーターブロックで温められた水はラジエータに送られます。
自動車のラジエータと同様の構造で、放熱フィンに効率的に空気に当てて冷却します。
ラジエータには冷やす力はないので、ファンから風を受け取って冷やします。
水冷とはいってもラジエータを冷やすためのファンは必要です。
水路の中を流れる流体をクーラントと呼び、それを循環させるためのポンプで構成されています。
水冷 PC の構造
ポンプにはリザーバータンクと呼ばれる、クーラントを少し多めに保持しておくためのタンクがあります。
このタンクで蒸発していくクーラントを保持し、温まって内圧が上がったときにさっと空気を抜くことができるフタがあります。
エア抜き、クーラントの注入はこのタンクから行うといいようです。
簡易水冷と本格水冷
水冷 PC といっても簡易水冷
と本格水冷
があります。
簡易水冷
メーカーで水路一式が完成した状態で PC にポン付けできるものです。
リザポンとラジエータ、ファンが用意され、完成した水路の状態で販売されます。
クーラント注入やエア抜きなどの作業が必要なく、CPU クーラーや GPU クーラーを交換するだけで使えます。
水冷初心者、なんとなくやってみたい人におすすめです。
RGB 装飾の付いているものが多いのでケース内も華やかになります。
簡単に付けられるのは魅力ですが、ベンチ比較してもあまり温度が変わらない、というレビューも見かけます。
性能に満足できなかっった場合にパーツ追加によるシステムアップはしづらいです。
本格水冷
自分でパーツを用意して、水路を組む方式です。
必要なパーツ選びから RGB などの装飾まで、好きなように選べます。
各パーツにしか保証がないので水漏れリスクは自己責任となります。
ケースの容量さえ許せば、あとからラジエータを追加したり流量計を設置したりと、システムアップも用意です。
その都度クーラント交換が必要になりますが。
水冷化って必要?
不要です。全く必要ありません。
水冷化によって直接 PC の性能が向上するわけではありません。
間接的には利点があります。
- 動作温度が下がることで部品の長寿命化
- 部品の温度が下がるのでオーバークロックしやすい
- 空冷よりも効率的に冷却できるので静音化できる
- ケース内が華やかになる
ただ、デメリットも。
- 新しい部品代としてお金がかかる
- 液体を扱うので、漏れると最悪 PC が死ぬ
結局ファンの音がうるさいんじゃないの?
結局ファンを使うので、温度が上がってきたらきっとうるさくなります。
ただ、水冷にしているぶんクーラントの温度上昇はゆっくりで、ラジエータで効率よく冷却できるので、ファンは比較的弱めでも大丈夫そうです。
ゲーム開始後からずっとフルでぶん回るわけではなさそうです。
巨大ラジエータの自然放熱によるファンレスタイプもありますが、ちょっと予算オーバーです。
置くところにも困りますし。
海外では室外に置いた車用ラジエータを使う変態(褒め言葉)もいるとか。ちょっとやってみたい。
2020-07-14 追記
※ 実際に組んでみると、ファンもポンプも静かな設定で十分冷えるのでとても静かになりました
メモ: 必要な部品
水路を組むために必要な部品
- クーラント : 冷却液
- ウォーターポンプ : クーラントを循環させる
- リザーバータンク : クーラントの保持
- ウォーターブロック : CPU や GPU に密着して冷やすための水枕
- ラジエーター : クーラントを放熱させる
- ホース : クーラントを流す
- フィッティング : 各パーツとホースを接続するための部品
あると便利
- ろうと: 注水時に
- 雑巾: こぼしたとき用
相場はおいくら?
水路が構築済みで、クーラーと入れ替えるタイプは「簡易水冷」と呼ばれます。
調べたところ、ポン付けキットのある GPU なら3万円程度で構築可能のようです。
簡易水冷の場合は対応モデルが売れ線に限られるので、グラボを買うときから水冷キットの有無を考えておいたほうが良さそうです。
全てのパーツを自分で揃えるタイプは「本格水冷」と呼ばれます。
GPU 冷やして水路一式組むだけなら 3 ~ 4 万円ほど。
CPU も冷やす、ラジエータも複数個つけるなど、こだわればこだわるほどお金はかかります。
「マシンの購入金額と同じくらいみとけ」というサイトもあり、お金のかけ方はかなりばらつきがあります。
初めての水冷なので、細かくこだわらずに目標額 4 万円で構築したいと思います。
熱暴走せずに少し静かになればいいやーくらいの気持ちで。